今日から使える和訳の極意 - Tip 23: 主題情報を主語に立てる

Tip 23: 主題情報を主語に立てる

カテゴリ : 
英日翻訳Tips
執筆 : 
ellersley 2013-6-23 6:14

和訳のコツを紹介するコーナーですが、例外的に今回は英訳に関するアドバイスです。


和文英訳の際、どの情報を主語に立てるかは、訳文のクオリティを決める非常に重要な要素です。当然のことながら、和文の主語と英文の主語は、必ずしも一致するとは限りません。

 
先日の提出課題に含まれていた次の文を例にとって考えてみましょう。
 
【例文】
原子力発電に対する依存度の低下によって化石燃料の需要が増えてきていることから、次の10年は、エネルギー価格が上昇する可能性が高い。
 
提出された答案のほぼすべてにおいて、「エネルギー価格」が主語として選択され、概ね次のような構文の英文が書かれていました。
 
【訳例1】
Since there is a growing demand for fossil fuels due to the less dependence on nuclear power, energy prices are likely to rise over the next decade.
 
和文では「エネルギー価格」が紛れもなく主語ですので、これはこれで良いでしょう。文法的にも問題ありません。
 
ただし1点だけ付け加えたいのは、英訳時には、「文法的な主語」よりも、「主題情報」を主語にした方が、洗練度が高く、原文が持つニュアンスにも近い英文になることが多いということです。
 
先ほどの例文における主題情報は、「次の10年」です。主題を判断することは、主語を判断することと比べると若干の困難を伴いますが、ざっくりと言えば、「は」という助詞が付いている名詞が概ね主題情報という理解で良いでしょう。和文における主題情報が、必ずしも文法的な主語と一致するとは限りません。
 
というわけで、「次の10年」を主語にした英文を考えてみましょう。
 
The next decade ... 
 
日本語とはまったく異なる発想の英文になりますので、手が止まってしまった人もいると思いますが、「時期」を主語にして、「その時期に...が起こる」、「その時期に...を経験する」という英文を作るには、see という動詞が使えます。
 
したがって、次のような文ができ上がれば正解です。
 
【訳例2】
The next decade is likely to see a rise in energy prices because there is a growing demand for fossil fuels due to the less dependence on nuclear power. 
 
because 節の中で、due to を使って、化石燃料に対する需要が増えている理由を表していますが、「理由」そのものを主語で表すこともできるということは、先日の授業で話したとおりです。その点を踏まえて、because 節を書き換えてみましょう。
 
【訳例3】
The next decade is likely to see a rise in energy prices because the less dependence on nuclear power is creating a growing demand for fossil fuels. 
 
でき上がった英文は、日本語の発想とは大きく異なりますが、主節も従属節もSVOという形になっており、ネイティブの目には非常に洗練された英文に映るはずです。

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