今日から使える和訳の極意 - Tip 18: different を「異なる」と訳すケースは多くない

Tip 18: different を「異なる」と訳すケースは多くない

カテゴリ : 
英日翻訳Tips
執筆 : 
ellersley 2012-12-20 17:10

different を見ると、「異なる」と訳したくなる人がほとんどなのではないでしょうか。しかし、「異なる」で網羅しきれない文脈・表現は少なくありません。

 

 

例文1:

Most of us try to quit smoking in different ways but fail in the end.

(△) 多くの人が、異なる方法でタバコを止めようと試みますが、結局は失敗します。

 

この例文のように、different が複数形の名詞を修飾している場合には、「さまざまな」とか「色々な」の方がしっくり来るケースが多いでしょう。

 

例文2:
Try different settings if the problem persists.

(○) それでも問題が解消しない場合には、異なる設定を試してみてください。

 

これはこれで問題ありませんが、different を動詞化して、「設定を変えてみてください」としても良さそうです。

 

例文3:
Our approach can be integrated into a variety of different systems.

(△) 当社の手法は、さまざまな異なるシステムに組み込むことができます。

 

a variety of を「さまざまな」と訳した時点で、 different の意味もほぼ網羅していますので、改めて「異なる」と訳す必要はあまりないように思います。

 

このように、同じような意味の語句を並べてある種の強調を表す修辞技法を冗語法といい、英語では Pleonasm といいます。日本語にも、「後で後悔する」など、広く使われる技法ですが、直訳すると、翻訳先の言語では不自然な響きになる場合がほとんどですので注意が必要です。

 

例文4:
The most important issue is how to have mutual understanding beyond different cultural backgrounds.

(△) 最も大切なことは、いかにして、異なる文化的背景を超えてお互いに理解し合うかということです。

 

このようなケースでは、different を名詞化し、「文化的背景の違いを超えて」の方が日本語としては自然ではないでしょうか。

 

例文5:
We offer many different kinds of insurance products for your needs.

(△) 当社は、お客様のニーズに合った多くの異なる種類の保険商品を提供しております。

 

kinds of の目的語にもよりますが、「保険商品を各種取り揃えております。」のような表現が、日本語としては最も自然かと思います。また、先ほどの a variety of different ... と同様、many different もプレオナズムの一種ですので、両方を逐一訳す必要はないでしょう。

 

different の派生語である differently も、翻訳時には副詞にこだわらない方が良いでしょう。

 

例文6:
Children and adults see the world differently.
(△) 子供と大人は世界を異なって見ている。

 

differently は、動詞化すれば概ね大丈夫かと思います。この文なら、「世界の見方が異なる」ですね。「見方が違う」としてももちろんOKです。

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