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Never Say Goodbye / Bon Jovi

カテゴリ : 
音楽
執筆 : 
ellersley 2015-11-22 11:00

Words: Jon Bon Jovi
Music: Richie Sa

  


 


 

As I sit in this smokey room
The night about to end
I pass my time with strangers
But this bottle's my only friend
この煙たい部屋で
一緒にいるのは見ず知らずの他人
友達はこのボトルだけ
もうすぐ夜が明ける
Remember when we used to park
On Butler Street out in the dark
Remember when we lost the keys
And you lost more than that in my backseat baby
暗闇の中 よくバトラー通りに車を停めてたね
キーを失くしたこと 覚えているかい
でも後部座席で失ったのは
もっと大きなものだったね
Remember how we used to talk
About busting out - we'd break their hearts
Together - forever
退学すると言って
よく周りの人を悲しませてしまったね
でも 僕たちはいつまでも一緒さ
Never say goodbye, never say goodbye
You and me and my old friends
Hoping it would never end
Say goodbye, never say goodbye
Holdin' on - we got to try
Holdin' on to never say goodbye
さよならは言わないでおこう
君と僕、そして旧き友が
いつまでも仲良しでいられるように
別れの言葉はグッとこらえて
心の中にしまっておこう
Remember days of skipping school
Racing cars and being cool
With a six pack and the radio
We didn't need no place to go
学校をサボって
クルマで競い合って カッコつけてた日々
6 缶パックとラジオがあれば
行き先なんてどうでもよかったよね
Remember at the prom that night
You and me we had a fight
But the band they played our favorite song
And I held you in my arms so strong
あの夜 ダンスパーティで
君と僕は殴り合いの喧嘩をしてしまったね
でも大好きな曲の演奏が始まったら
君を強く抱きしめていた
We danced so close
We danced so slow
And I swore I'd never let you go
Together - forever
ぴったりと身を寄せて
ゆっくりと踊りながら
僕は君を離さないと誓ったんだ
ずっと一緒だとね
Never say goodbye, never say goodbye
You and me and my old friends
Hoping it would never end
Say goodbye, never say goodbye
Holdin' on - we got to try
Holdin' on to never say goodbye
さよならは言わないでおこう
君と僕、そして旧き友が
いつまでも仲良しでいられるように
別れの言葉はグッとこらえて
心の中にしまっておこう
I guess you'd say we used to talk
About busting out
We'd break their hearts
Together - forever
退学すると言って
よく周りの人を悲しませてしまったよね
でも 僕たちはいつまでも一緒さ
Never say goodbye, never say goodbye
You and me and my old friends
Hoping it would never end
Say goodbye, never say goodbye
Holdin' on - we got to try
Holdin' on to never say goodbye
yeah yeah
さよならは言わないでおこう
君と僕、そして旧き友が
いつまでも仲良しでいられるように
別れの言葉はグッとこらえて
心の中にしまっておこう
  翻訳: 中村泰洋

 

今回は久しぶりに Bon Jovi を取り上げました。1986 年にリリースされた古い曲ですが、今でもコンサートではときどき演奏しているようです。

 

この「Never Say Goodbye」は、ジョンが 25 歳のときに、17 歳の頃を振り返って書いた曲です。当時の私は 14 歳でしたが、後追いで聴いたため、初めて耳にしたのは 20 歳くらいの頃だったと思います。

 

当時の Bon Jovi は、まさにスーパースターでした。この曲が収録されているアルバム「Slippery When Wet」は、これまでの Bon Jovi の軌跡における最大のヒットアルバムであるわけですが、それだけに留まりません。何しろ、全米アルバムチャートで 8 週連続 1 位を記録し、38 週連続で 5 位以内に留まり、その年の全米トップセールスアルバムとなったのです。さらに、「Never Say Goodbye」に先立ってシングルカットされた「You Give Love a Bad Name」と「Livin' on a Prayer」は、シングルチャートでそろって 1 位を獲得。その後リリースされた「Wanted Dead or Alive」も 7 位にランクインするという快挙を成し遂げました。アルバムタイトルとは裏腹に、「スベる」どころか売れまくったわけで、その後 90 年代初頭まで、ハードロックは一気に音楽シーンのメインストリームとなりました。名曲「Livin' on a Prayer」をフィーチャーしたカセットテープ(!!)「AXIA」の CM を覚えている人も多いでしょう。「まるでBon Jovi」というナレーションが何とも懐かしくて、郷愁を誘います。

 

 

 

 

当時 17 歳だったジョン本人も、わずか 8 年後にまさかこんなスーパースターになるとは予想していなかったことでしょう。歌詞に描かれているジョンは、ごく普通のやんちゃな高校生です。「6缶パック」がオレンジジュースということはないでしょう。アルコールを手に、クルマを飛ばし、道端に停めて夜明けまで過ごす。「クルマの後部座席で無くした、キーよりも大切なもの」が何なのかは想像するしかありませんが、思い描いているものは、おそらく全員同じでしょう。

 

ウィキペディアによると、Bon Jovi のシンガーであるジョン・ボン・ジョヴィは、米国ニュージャージー州の Metuchen という地区で生まれ育ち、この地区にある St. Joseph High School という高校に通っていたようです。歌詞に出てくる Butler Street を Google Map で調べてみると、実在することがわかります(ストリートビュー)。この画像に写っているのは Butler Street の西端地点で、左右に駐車場らしきスペースがありますが、この先は東端までずっと通りの両側に瀟洒な住宅が並んでいます。ジョンが夜中にたむろしていたのは、この駐車場なのではないかと想像します。そして、Butler Street と St. Joseph High School を結んでみると、こんな感じになります。車で 17 分の距離ですから、学校からは少し離れたところで悪さを働いていたということになります。

 

ジョンが 25 歳という若さで高校時代に思いを馳せる曲を書いた背景として、スーパースターになったという事実はやはり切り離せないでしょう。メジャーデビューからわずか 3 作目にして、押しも押されぬスーパースターとなった Bon Jovi は、ワールドツアーのために 1 年の大半を海外で過ごしており、それ以外の時間もスタジオに入り浸りだったはずです。取り巻く人はプロデューサーやミキサー、プロモーターといった業界人ばかりとなり、地元で一緒に育った友達に会うことは非常に難しくなったと思いますし、わずかにできた時間で久しぶりに旧友たちと飲みに行ったりしても、ビッグにになりすぎてしまったジョンとの間には微妙な距離感が生まれ、かつてのような関係ではなくなってしまったことでしょう。

 

改めて曲に目を向けてみましょう。90 年代以降の歌詞と比べると、青臭いといいますか、若々しいといいますか、ひねりや計算がなく、過ぎし日に思いを馳せながら、自身のインスピレーションに素直に従ってアウトプットしたという感じです。曲展開やメロディは「ベタ」で「クサい」としか形容しようがないコッテコテのロックバラードです。曲の最後に被せてくるアルペジオのメロディなど、今の Bon Jovi なら恥ずかしくて絶対にできないと思いますが、若き日の Bon Jovi を象徴するこのキラキラ感溢れる 1 曲に思わず自身の青春時代を重ねてしまうオールドファンは、私を含め、世界中に何百万人という単位で存在することでしょう。ベタなのに、飽きるどころか、歳を重ねるごとに好きになっていくのが不思議です。

 

第 3 ヴァースに出てくる bust out というスラングの意味が、実はよくわかりません。escape の意味で使われる一方、accomplish a task の意味でも使われるようです。bust out の目的語が省略されていることが、解釈に苦労する原因の 1 つなのですが、文脈から察して、「bust out of school」かなと考えました。

 

去る 8 月 1 日、最終授業の後に行われた集いには、多くの受講生が駆けつけてくださり、本当に幸せなひとときでした。7 年半続けた講座が終わった割に、寂しさよりも充実感と安堵感の方が大きかったのは、適切な引き際だったからだと思います。講座は終了しましたが、このウェブサイトは、これまでの受講生とのインターフェイスとして、そしていつか来るであろう第 2 章のために、今後も不定期で更新する予定です。「Never Say Goodbye」ということですね。

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Feel What I Feel / Gotthard

カテゴリ : 
音楽
執筆 : 
ellersley 2015-6-8 15:06

Words: Nic Maeder
Music: Leo Leoni 

  


 


 

So much for love
You must've come from way above
Just for a smile and just for an inch
I'll run a mile, I'll run a mile
お前は愛を求めて
彼方からはるばるやってきたんだろう
あと1インチに迫った微笑みのために
俺は1マイルを駆ける
So much it seems
Might only be just mirrors and steam
Might be the wine
But I've never known a love so fine
その微笑みは
もしかしたら 単なる鏡と湯気なのかもしれない
もしかしたら ワインなのかもしれないが
俺はそんな極上の愛を知らない
Don't wanna wake up from this high
この恍惚から覚めたくないんだ
Say that it's fate, say that it's real
Say I'm not dreaming and you feel what I feel
Don't say I'm sleeping, don't let it end
Don't wake me up, I'll never find you again
I'll never find you again
運命だと言ってくれ 現実だと言ってくれ
夢ではなく お前も俺と同じ気分だと言ってくれ
俺が眠っているなどと言わないでくれ
まだこのままでいさせてくれ
俺の目を覚まさないでくれ
お前を二度と見つけられなくなるから
So much to say
Perfection in every single way
I'm taking the dive
Cause I've never felt just so alive
言いたいことは山ほどある
どこを取っても完璧だ
俺は今 ダイビングの最中
生きていると こんなに強く感じるのは初めてだ
Don't wanna wake up from this high
この恍惚から覚めたくないんだ
Say that it's fate, say that it's real
Say I'm not dreaming and you feel what I feel
Don't say I'm sleeping, don't let it end
Don't wake me up I'll never find you again
I'll never find you again, I'll never find you again
I'll never find you again

運命だと言ってくれ 現実だと言ってくれ
夢ではなく お前も俺と同じ気分だと言ってくれ
俺が眠っているなどと言わないでくれ
まだこのままでいさせてくれ
俺の目を覚まさないでくれ
お前を二度と見つけられなくなるから
Say that it's fate, say that it's real
Say I'm not dreaming and you feel what I feel
Don't say I'm sleeping, don't let it end
Don't wake me up I'll never find you again

運命だと言ってくれ 現実だと言ってくれ
夢ではなく お前も俺と同じ気分だと言ってくれ
俺が眠っているなどと言わないでくれ
まだこのままでいさせてくれ
俺の目を覚まさないでくれ
お前を二度と見つけられなくなるから
Say that it's real, say that it's real
Say that it's real, say that it's real
Do you feel what I feel? What I feel
What I feel, what I feel, what I feel
Do you feel what I feel? What I feel

現実だと言ってくれ
現実だと言ってくれ
俺の気持ちを感じているか?
俺の気持ちを

  翻訳: 中村泰洋

 

長いこと更新が滞っていましたが、久しぶりに更新したくなるような強烈な1曲を見つけました。80〜90年代の曲を中心に紹介しているこのコーナーでは非常に珍しい2014年リリースで、コテコテのアメリカンロックだった前回のヴァン・ヘイレンとは対照的な、ヨーロピアンテイスト溢れる佳曲です。これはイイ。

 

一口にハードロックと言っても、そのジャンルは細かく細分化されており、リスナーによって好みも様々です。私の場合は、「激しさ or 重さ」と「良質なメロディ」が共存していることが条件です。しかし、そのバランスは極めて曖昧かつ微妙で、ピタッと合致する曲にはなかなか出会えないのですが、この「Feel What I Feel」は、両者のバランスが絶妙です。純粋なハードロックマニアの感覚だと、この曲は「少々ポップすぎる」ということになるのでしょうが、私にはツボです。

 

さて、今回紹介するゴットハードは、スイスのハードロックバンドです。私たち日本人にとってスイスという国は、「アルプスの少女ハイジ」のイメージが強すぎて、多くの人が、豊かな自然に囲まれた穏やかな国という印象を抱いていますので、こんなゴリゴリしたロックミュージックが存在することをイメージしにくいかもしれません。

 

日本ではほとんどマニアにしか名前の知られていないゴットハードですが、母国スイスでの人気は絶大です。ゴットハードは1992年のデビュー以来、スタジオアルバム11枚など、全部で20枚のアルバムを発表している(2015年現在)のですが、そのうちの何と15枚がナショナルチャートで1位を獲得しているのです。過去のブログでも言及しているとおり、私は22〜23歳のときにニュージーランドのオークランドに留学しており、学校にはスイスの人も結構来ていました。同じクラスになったスイス人とはほぼ例外なくゴットハードのことを話しましたが、彼らを知らない人など皆無でした。また、私がホームステイした家庭から私と入れ替わりで出て行ったスイス人の女の子は、

 

「僕は音楽が好きなんだけど、スイスで有名なミュージシャンて誰?」

 

という私の質問に対し、

 

「うーん、一番有名なのは... GOTTHARD かな

 

という答えが返ってきました。

 

どうやらスイスにおけるゴットハードは、もはや国民的バンドと言える存在で、日本におけるB'z以上のポジションに位置するものと思われます。

 

チューリッヒで撮影されたと思われる下の映像を見れば、その人気ぶりは容易に理解できるでしょう。東京ドームのような巨大ホールを観衆が埋め尽くしており、2:14 や 4:42 で映る女の子たちは、目がウルウルしてしまっています。

 

 

彼女たちの瞳に映っているのはおそらく、ヴォーカルのスティーブ・リーでしょう。母国におけるゴットハードの人気の理由が楽曲の良さであることは間違いないのですが、スティーブ・リーの歌唱力と声質、ワイルドな出で立ちも含めたフロントマンとしてのカリスマ性を抜きにしてゴットハードを語ることはできません。広い声域と豊かな声量、太くて力強い声質とその表現力など、ロックシンガーに必要な要素をすべて兼ね備えていると思います。

 

しかし、冒頭の PV を見れば、スティーブ・リーとは明らかに別人であることに気づくでしょう。それもそのはず。スティーブ・リーは2010年、アメリカでのツーリング中、休憩していたところに、スリップしたトレーラーが跳ね飛ばしたバイクが直撃するという、不運としか言いようのない事故でこの世を去ったのです。上の動画は2006年に収録されたコンサートの様子で、演奏している「Let it be」という曲は、彼らがキャリアの比較的初期に作ったバラード曲です。個人的には、彼らのバラード曲における最高傑作だと思います。

 

悲運によってバンドの顔を失ったゴットハードは、言ってみれば本田圭佑がいないサッカー日本代表や、橋下代表の去った維新の党のようなもので、もはや存続不能とファンは思ったはずです。しかし彼らは解散という選択をせず、400人ものオーディションを経て、オーストラリア出身のニック・メイダーというヴォーカリストを迎え、2012年に復活しました。

 

改めて冒頭の PV を見てみましょう。客観的に見て、ニック・メイダーの歌唱は、確かにスティーブ・リーに劣るでしょう。全体的に線が細いし、声域もそれほど広くないようですが、個人的にはかなり良い線に行っていると思います。オーストラリア人とは思えない都会的で洗練された佇まい (偏見でしょうか?) でビジュアルも良く、中低音の声は、スティーブとは違う新たな魅力を放っています。そして何よりもこの「Feel What I Feel」は楽曲が秀逸でしょう。イントロからブリッジ、サビ、アウトロに至るまで、リズムもメロディもリフもサウンドも曲構成も、私のツボをピンポイントで刺激するカッコ良さです。PVの内容は少々エグくて気持ち悪いのですが、洗練されたカメラワークと、元ミス・スイスという恐ろしく美しい女性の怪しげな魅力からも目が離せません。2:48、マーク・リンがベースを叩くシーンから始まる展開はまさに圧巻で、レオ・レオーニというギタリストの卓越したメロディセンスがあまりにも過小評価されていると感じずにいられません。

 

過去のゴットハードの曲は、スイス人のスティーブ・リーが多くを作詞していたため、ストレートでわかりやすい歌詞のものが多かったという印象がありますが、オーストラリア人であるニックによって作詞された「Feel What I Feel」は、やはり英語がネイティブということもあってか、pun(語呂合わせ)とrhyme(押韻)に溢れており、新生ゴットハードの新たな側面と言えそうです。また、歌詞に出てくる「you」を誰と考えるのかは、読み手の想像力に委ねられており、このようなmetaphor(隠喩)を駆使したニックの作詞能力は、かなりの水準にあると考えられます。YouTubeのコメントを見ると、ニックに対するファンのコメントは「スティーブは素晴らしかったが、ニックも良い」というトーンのものが多く、概ね好意的に受け入れられているようです。伝説化した偉大な前任者の後釜として、ニックはあまりに無名だった上に外国人なのですから、多くのファンが、ボロクソにこき下ろそうと手ぐすね引いて待っていたはずです。その中でこれだけの評価を受けたニックは、やはり400人の中から選ばれただけあって、伊達ではないということです。

 

私にとってゴットハードは、自分の琴線に触れる曲がある一方で、自分のテイストに合わない退屈な曲も多いため、デビュー当時から「まあまあ」好きなバンドという位置付けでした。1994年に彼らのライブを一度見ていますが、それほど印象に残っていません。それでも、あらゆる意味で本物・一級品のロックバンドであるという見方に異論はありません。

 

少し話が外れますが、名古屋およびその周辺地域には、住民に長らく親しまれてきた「ナフコ」というスーパーマーケットがあります。ところが、15 年くらい前から、この「ナフコ」から「フィール」という名前に看板替えする店舗が増えてきました。もう 15 年経つわけですので、それなりに「フィール」が定着してもよいはずなのですが、実際には、おそらくすべての住民が「フィール」という名前に何とも言えないモヤモヤした思いを抱き続けており、「フィール」というブランドを十分に受け入れられないでいます。その原因は全員共通で、「フレエッシュフーズの...ナ・フ・コチェ〜ン」というあの曲が、名古屋人の DNA に、もはや消去不能なほど深く刷り込まれているからです。

 

「Feel What I Feel」は直訳すれば、「私の気持ちを感じて」という意味です。フィールがナフコの呪縛から逃れ、確かなブランド力を確立するために、これ以上のキャッチフレーズが他にあるでしょうか。フィールコーポレーションが自社のテーマソングとして「Feel What I Feel」を使えるようゴットハードに許可を求め、イメージキャラクターとしてゴットハードを起用するという大英断を下したとき、フィールは積年の課題を解消し、食品小売市場における不動の地位を獲得することでしょう。「ハードロック・カフェ」ならぬ「ハードロック・スーパーマーケット」です。一方、オーソドックス & オーセンティックなハードロックが持ち味のゴットハードは、万事に保守的な名古屋人との相性が抜群です。名古屋が認めたお値打ちハードロックバンドとして、コメダコーヒーのように日本全国に人気が拡大すること間違いなしです。Wikipedia によると、フィールコーポレーションには4000人の社員がいるようです。私はこのブログが、フィールコーポレーションの誰かに届くことを願って止みません。

 

ただし、フィールの業態を考えると、提携が上手く行った場合には、PV を作り直した方が良さそうですね...

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Can't Stop Lovin' You / Van Halen

カテゴリ : 
音楽
執筆 : 
ellersley 2013-11-23 14:20

 


 

There's a time and place for everything,
For everyone
We can push with all our might,
but nothin's gonna come
Oh no, nothin's gonna change
An' if I ask you not to try, oh could you let it be?

何にでも そして誰にでも
然るべき時期と場所がある
力いっぱい押してみても
何も巡ってこないし 何も変わらない
だからといって
努力を止めて成り行きに任せるなんてこと
できるかい?
I wanna hold you and say
We can't throw this all away
Tell me you won't go, you won't go
You have to hear me say
おまえを抱きしめて 言いたいんだ
投げ出してはいけないと
別れるなんて言わずに
俺の言葉を聞いてくれ
I can't stop lovin' you
And no matter what I say or do
You know my heart is true, oh
I can't stop lovin' you
愛さずにいられないんだ
俺が何を言おうと 何をしようと
俺の気持ちに偽りはない
おまえのことを愛さずにはいられないんだ
You can change your friends, your place in life
You can change your mind
We can change the things we say, and do any time
Oh no, but I think you'll find
That when you look inside your heart
Oh baby, I'll be there. Yeah!

友を変えること 住む場所を変えること
考えを変えること 言うことを変えること
これらはいつだってできる
おまえならわかってくれると思う
自分の心の中を覗いてみれば
俺がそこにいるってことを
Hold on. I'm holdin' on
Baby, just come on, come on, come on
I just wanna hear you say
だからくじけないで 俺もがんばるから
いいからおいでよ
おまえに言ってもらいたいんだ
I can't stop lovin' you
And no matter what you say or do
You know my heart is true, oh-oh!
I can't stop lovin' you
愛さずにいられないと
何を言おうと そして何をしようと
自分の気持ちに偽りはないと
俺のことを愛さずにはいられないんだと
Oh, I'm so twisted and tied
And all I remember, was how hard we tried
Only to surrender
もがき苦しんだ俺に思い出せるのは
どんなに必死でチャレンジしても
報われなかった記憶だけ
(Guitar Solo)  
And when it's over
I know how it's gonna be
And true love will never die
Or, not fade away
すべてが終わったとき
どんな結果が待ち受けているのか
俺にはわかっている
本当の愛は決して果てないし
色あせることもない
And I can't stop lovin' you
And no matter what I say or do
You know my heart is true, oh
I can't stop lovin' you
愛さずにいられない
俺が何を言おうと そして何をしようと
俺の気持ちに偽りはない
おまえのことを愛さずにはいられないんだ
And I know what I got to do
Hey Ray, what you said is true, oh
I can't stop lovin' you, oh no
Oh, can't stop lovin' you
何をすべきか 俺はわかっている
レイ、あなたが言ったことは本当だったよ
愛する気持ちは
どうやったって止められないってこと
 

 
翻訳: 中村泰洋

 



前回の Wind of Change が少々重たくなりすぎてしまったので、今回はスカッと爽やかな曲を取り上げてみました。米国のヴァン・ヘイレンが 1995 年に発表した10枚目のアルバム「Balance」からシングルカットされたナンバーです。


最高位は全米チャート 30 位ということで、ヴァン・ヘイレンの過去の実績から見ればやや寂しい結果と言えますが、時代が悪かったのでしょう。80 年代だったら No.1 になっていてもおかしくない曲だと思います。


ヴァン・ヘイレンは、私にとって最も「アメリカンな」バンドです。「I can't stop loving you.」なんていう、英語を習い始めたばかりの中学生でもわかる超ストレートなフレーズを全力でシャウトしても許される男は、おそらくサミー・ヘイガーだけなのではないしょうか。3:37 で浮かべる満面の笑顔と最後の投げキッスも含め、サミー・ヘイガーという人は、日本人の大半がイメージするアメリカ人男性のイメージそのものという気がします。


サミー・ヘイガーを先に取り上げてしまいましたが、バンドの中心は、バンド名の由来でもあるエディ・ヴァン・ヘイレン (G) とアレックス・ヴァン・ヘイレン (Dr) の兄弟です。


ギタリストとしてのエディの凄さはいろいろなところで語り尽くされているのでここでは敢えて触れませんが、エディは別の意味でもパイオニアです。
 

かつてロックミュージシャンというのは、いかつい顔をして無表情で演奏するのが定番でしたが、その常識を覆したのが実はエディ・ヴァン・ヘイレンだと言われています。この曲では少しはにかんだ表情をしているエディですが、若いころの PV では、超人的な技術を満面の笑顔で披露しています。


歌詞にも少し目を向けてみましょう。サビの「I can't stop loving you.」も含め、歌詞の内容は至ってシンプル。訳そうとするとそれなりに悩みますが、難しい単語は皆無ですので、解釈は容易で、高校1年生の英語の教材にそのまま使えそうです。この単純明快さが何とも「アメリカン」です。


第3ヴァースと第6ヴァースは同じ歌詞ですが、それぞれのヴァースの直前が、それぞれ「wanna hear me say」、「wanna hear you say」であることから、第3ヴァースと第6ヴァースとで、I と you に該当する人を入れ替える必要があるでしょう。原詩と同じように直接話法を使うのであれば、もちろんそんな小細工は不要です。


PV のストーリーは、女性がサルにミルクを上げている場面など、やや理解に苦しむ箇所もありますが、お約束どおりのハッピーエンドになっており、この点も何やら「アメリカン」です。


曲の終わり付近で、「レイ」なる人物が出てきます。実はこの人物、誰もが知るR&Bの大御所レイ・チャールズです。曲名を知らなくても、次の曲は誰もがどこかで聴いたことがあるでしょう。



もうわかりますね。ヴァン・ヘイレンの「Can't Stop Lovin' You」は、レイ・チャールズへのオマージュなのです。とはいえ、ここでもサミー・ヘイガーは、この偉大なる盲目のR&Bキングに対し「Hey, Ray」と気さくに呼びかけ、指を指して語りかけています。この気さくさも、何とも「アメリカン」です。


古くからのヴァン・ヘイレンファンにしてみれば、「こんなのはハードロックじゃないし、ヴァン・ヘイレンじゃない」と言いたくなるかもしれませんが、私は別に良いと思います。私はヴァン・ヘイレンというバンドが決して大好きというわけではないのですが、何の小細工も駆け引きもなく、「お前のことがとにかく大好きなんだ」と真正面からドンとぶつかって来るこの爽快感が大好きです。


これこそが、「アメリカン」ロックの神髄なのです。

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Wind Of Change / Scorpions

カテゴリ : 
音楽
執筆 : 
ellersley 2013-10-7 7:10

Words & Music:Klaus Meine

 

 

I follow the Moskva
Down to Gorky Park
Listening to the wind of change
An August summer night
Soldiers passing by
Listening to the wind of change
僕はモスクワ川に沿って
ゴーリキー・パークへと歩を進める
変革の風に耳を澄まして
8月のある夜
すれ違う兵士たち
彼らもまた 変革の風に耳を傾けている
The world is closing in
Did you ever think
That we could be so close, like brothers
The future's in the air
I can feel it everywhere
Blowing with the wind of change
世界が小さくなろうとしている
お互いがまるで兄弟のように親しくなれる日を
これまで想像できただろうか?
そんな時代が目前に迫っている
僕にはそこかしこで感じられる
変革の風が吹いていることを
Take me to the magic of the moment
On a glory night
Where the children of tomorrow dream away
in the wind of change
瞬間の魔法へと 僕を誘っておくれよ
栄光の夜に
そこは 未来の子どもたちが夢を見る場所
変革の風の中で
Walking down the street
Distant memories
Are buried in the past forever
I follow the Moskva
Down to Gorky Park
Listening to the wind of change
街を歩けば
遠い昔の記憶はもう永遠に過去のもの
僕はモスクワ川に沿って
ゴーリキー・パークへと歩を進める
変革の風に耳を澄ませながら
Take me to the magic of the moment
On a glory night
Where the children of tomorrow share their dreams
With you and me
Take me to the magic of the moment
On a glory night
Where the children of tomorrow dream away
in the wind of change
瞬間の魔法へと 僕を誘っておくれよ
栄光の夜に
そこは 未来の子どもたちが
一緒に夢を分かち合う場所
瞬間の魔法へと 僕を誘っておくれよ
栄光の夜に
そこは 未来の子どもたちが夢を見る場所
変革の風の中で
The wind of change
Blows straight into the face of time
Like a stormwind that will ring the freedom bell
For peace of mind
Let your balalaika sing
What my guitar wants to say
安らぎを求めて
自由の鐘を鳴らす烈風のごとく
変革の風が
時代の真正面に吹きつける
僕がギターで奏でるこの歌を
君もバラライカで弾いてくれ
Solo
 
Take me to the magic of the moment
On a glory night
Where the children of tomorrow share their dreams
With you and me
Take me to the magic of the moment
On a glory night
Where the children of tomorrow dream away
in the wind of change
瞬間の魔法へと 僕を誘っておくれよ
栄光の夜に
そこは 未来の子どもたちが
一緒に夢を分かち合う場所
瞬間の魔法へと 僕を誘っておくれよ
栄光の夜に
そこは 未来の子どもたちが夢を見る場所
変革の風の中で
  翻訳: 中村泰洋

 歌詞はオリジナルのものです。PV では一部省略されています。

 


今回は、90年にリリースされたスコーピオンズの名曲を取り上げてみました。日本ではあまり有名でないスコーピオンズですが、ドイツではおそらく最も有名な、そして最も偉大なロックバンドです。ドイツで彼らの名を知らない人はほぼ存在しないでしょう。

 

「Wind of Change」という曲名、ドイツのバンド、「90年リリース」、「モスクワ」、「ゴーリキー・パーク」、「瞬間の魔法」、「栄光の夜」... リアルタイムでこの曲を聴かなかった人でも、容易に想像できるでしょう。この曲のテーマは、ベルリンの壁崩壊〜ソビエト連邦の崩壊に至ったあの時代です。

 

ハードロック/ヘヴィーメタルというジャンルの曲であるにもかかわらず、本国ドイツでは音楽の教科書にも載っているそうで、異国のバンドながら、全米チャート4位、全英チャート2位と、セールス的にも大きな成功を収めました。

 

今となってはなかなか想像もしにくいことですが、冷戦時代のソ連や東ドイツで、西側諸国の音楽を聞くことは許されておらず、闇ルートで取引されていた海賊版レコードを手に入れる以外にありませんでした。

 

しかし、1985年にロシア連邦の共産党書記長に就任したミハエル・ゴルバチョフが、硬直した政治体制を刷新するために、開放政策「ペレストロイカ」を推し進めます。その一環として展開されたのが、「グラスノスチ(情報公開)」です。チェルノブイリ原発事故をはじめとするさまざまな社会問題を解決するために、ゴルバチョフは、クレムリンに固く閉じ込めていた情報を積極的に公開するとともに、言論、思想、出版、集会、報道などの自由を認め、民主化を推進しました。

 

その流れに乗り、いち早く鉄のカーテンを開けて東側諸国に足を踏み入れたのが、旧西ドイツ出身のスコーピオンズでした。1988年にレニングラードのサンクトペテルブルクでコンサートを行うと、このコンサートがきっかけとなり、翌89年の8月12日には、音楽史に名を刻んだ伝説的ロックイベント「モスクワ・ミュージック・ピース・フェスティバル」が開催されます。同フェスティバルの出演は、メインアクトがボン・ジョヴィ、他にもオジー・オズボーン、モトリー・クルー、スキッド・ロウ、シンデレラといった豪華な顔ぶれで、スコーピオンズももちろん名を連ねていました。

 

海賊版でしか西側諸国の音楽を聞けなかったはずなのに、レニングラード・スタジアム (現在のルジキニ・スタジアム) で行われたこのイベントには、12万人の観客が集まったと言われています。当時のソ連政府が、この日のために天候を晴れにするロケット (いったいどんなロケットなのでしょう?) を打ち上げたというくらいですから、どれほど大きなイベントであったかが想像できるでしょう。

 

2年続けてロシアで公演を行ったスコーピオンズのクラウス・マイネ(Vo)は、前回公演から1年の間に起きた変化の大きさに驚き、変革の兆しをはっきりと感じたのだそうです。その感覚にインスパイアされてでき上がったのが、この Wind Of Change です。マイネ自身がドイツ人であったからこそ、その変化がいっそう敏感に感じられたのでしょう。

 

スコーピオンズのバラード曲には、Still Loving You や Holiday など名曲が本当に多いので、純粋に楽曲としての完成度という点から見れば、Wind Of Change はベストではないかもしれません。確かに、サビの部分はもう少し工夫が欲しかったといいますか、もう少し盛り上げて欲しかったという気もします。しかし、ハードロックという反体制的な音楽が、旧東側諸国のイデオロギーに対する文字どおり反対勢力となって一連の民主化運動の一端を担ったわけですから、やはり Wind Of Change こそが、スコーピオンズを代表する1曲ということになるのでしょう。

 

郷愁を誘うマイネの口笛も印象的ですが、最大の聴きどころは、3分手前、2番目のサビを終えて転調したところから、「... my guitar wants to say」という歌詞に続いて感動のギターソロへと突入していく展開です。まず何よりも、歌詞が素晴らしい。東西の融和ムードが一気に盛り上がったあの時代に、「オレのギターで奏でる歌を、お前のバラライカでも弾いてくれ」というメッセージに共感を覚えなかった若者はおそらく皆無でしょう。そして、my guitar wants to say...  という歌詞に続いてマティアスのギターが泣き叫ぶその美しい構成と、ドイツ人ならではの叙情旋律につい涙腺が緩んでしまうのは、決して大袈裟な表現ではありません。

 

もっとも、私がこの曲とシンクロする記憶は、付き合い始めたばかりの彼女にあっさりとフラれたことだったり、サッカー部の試合で、自分にとって唯一だった公式戦での得点機に、会心の手応えで放った25メートルのシュートがクロスバーに跳ね返されてヒーローになり損ねたことなど、含蓄豊かな歌詞とは程遠い恐ろしく低次元の出来事だったりするのですが、悲しみと希望が交錯したような叙情的なこのギターソロを今改めて聴いてみると、そこには、「悲しい歴史と決別しよう、そして一緒に未来を作っていこう」というヨーロッパの人たちの当時の思いが反映されているように感じられます。6000万回という途方も無いYouTubeの再生回数が、それを雄弁に物語っています。

 

ベルリンの壁が崩壊した1989年の11月、私は高校2年生でした。今でもよく覚えているのは、当時の担任の先生が担当していた物理の授業です。この授業では、物理ノートというのがあって、クラスの生徒全員が順番にその日の授業内容をこのノートにまとめ、まとめの末尾に、何でも良いから物理に関する質問を書いて次の人に渡すという決まりになっていました。しかし、最後の質問の部分が、何やら途中から形を変えて、生徒個人が今の思いを吐露する場になっていき、私の番が来たときには、物理の質問などという決まりは跡形も残っておらず、前の女子生徒の思いの丈が綴られていました。

 

私もその流れに乗っかって書いたのが、ディテールはもちろん忘れてしまいましたが、「ベルリンの壁が崩壊して、ドイツが統一されようとしている。何やら凄いことが起きようとしているようだけど、それは将来の自分たちにどんな影響を及ぼすのだろう。壁に向かって火炎瓶を投げているあの人たちは、年齢が近いようだけど、あの熱さは何なのだろう。情熱を持って取り組みたいことが何も見当たらない自分との温度差に少し戸惑う」といった、内容がありそうで実は何もない記述でした。将来の夢や青写真などなかった自分にとって、当然のことながら勉強へのモチベーションは低く、大学受験なんて面倒なだけで、真剣に取り組む対象ではなかったのです。

 

別に海外志向が強かったわけでもありませんが、洋楽が好きだった私は、常に海外の音楽というフィルターを通して世界を見ていました。ペレストロイカもグラスノスチも、世界史の授業ではなく、スコーピオンズを通じて入ってきました。

 

結局、洋楽好きが遠因となり、私は翻訳を仕事として選びました。そして少なくとも10年以上、この仕事に情熱を注いできましたが、その情熱も薄れつつあり、ベクトルの向きも変わりつつあります。かといって、新たな方向性は決して明確というわけではなく、試行錯誤はしばらく続くでしょう。

 

再び Wind Of Change が聴きたくなったことは、何かを暗示しているのでしょうか、それともただの偶然でしょうか。先週、仕事で2件のトラブルに見舞われました。いろいろと迷いがあることは確かです。

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They say she's gone, gone forever.
Far away from the emerald shores.
I always thought, she'd leave me never.
Forsaken heart of Inishmore.
In the hills of galway, I'll wait forever more.

 

人は云う 
彼女は遥か彼方に行ってしまったと
もう永遠に
このエメラルドの岸に戻っては来ないのだと 
僕は信じていた
彼女がずっとイニッシュモアにいてくれると
置き去りにされたこの想い...
でも僕は待ち続ける
ゴルウェイの丘で

翻訳: 中村泰洋


 
初めて聴いた方、いかがでしょうか。美しい曲でしょう。
 
タイトルの Inishmore というのは、アイルランド西部に浮かぶ島の名前です。Riot は米国のバンドですが、曲のモチーフになっているのは、19世紀にアイルランドを襲った大飢饉です。イニッシュモア島を含めたアイルランド西部は特にそのダメージが大きく、多くの民が飢饉から逃れるために祖国を後にしたと言われています。主人公の少年が想いを寄せていた少女も例外ではなく、この曲では、2 度と戻らぬ彼女を待ち続ける少年の想いが謡われています。
 
Riot はマーク・リアリ (G) を中心に、1970 年代から活動している長寿バンドです。ただ、リアリは 2012 年 1 月に亡くなっていますので、「活動していた」と言った方が良いかもしれません。バンド自体は存続しているようですが、リアリのいない Riot など、イニエスタのいないスペイン代表と同じで、リアリは替えの利かない存在だからです。そういう意味で、98 年に川崎クラブチッタで行われた日本公演のサウンドチェックの様子を収録したこの動画は貴重でしょう。映像もサウンドも驚くほどクリアで、真剣な表情の中にも、本番とは違うリラックスした雰囲気が伝わってきます。ちなみに、RIOT にはギタリストが 2 人いますが、向かって左側、メガネをかけた細身の人がマーク・リアリです。
 
リアリは米国人ですが、前世が日本人だったのではないかと思えるほど、彼の紡ぎ出すメロディは、日本人の感性をビリビリと刺激する独特の哀愁と叙情感に満ちています。その特殊な音楽性ゆえ、本国アメリカではセールスに恵まれておらず、おそらく日本における知名度の方が高いのではないでしょうか。実際、キャリアの初期から日本との結び付きが強く、「NARITA」や「Tokyo Rose」といった曲も過去に発表しています。
 
マーク・リアリがいれば Riot というバンドは成り立つのですが、Riot は実にメンバーチェンジが多いバンドで、リアリ以外のメンバーは極めて流動的です。97 年に発表されたこのアルバムでは、マイク・ディメオという人物がヴォーカルを務めていますが、彼は Riot の歴史において 4 人目のヴォーカリストです。過去のヴォーカルと比べて長く在籍したディメオですが、Wikipedia によると彼も 2005 年に脱退しており、その後は前任のトニー・ムーアを迎えているようです。
 
私は RIOT を過去に一度だけ生で見たことがあります。1996 年だったか 97 年だったか記憶が定かでないのですが、Inishmore がリリースされる前だったと思います。会場が今池のボトムラインだったのは間違いありません。ボトムラインは観客席のない典型的なライブハウスで、結構寒い時期だったのに、すし詰めの会場が生み出す熱気で汗だくになりながら、彼らの素晴らしい楽曲を堪能しました。ショウの終わりに、ヴォーカルのマイク・ディメオに「素晴らしいショウだったよ。ありがとう」と叫ぶと、彼は非常に喜んで、私とガッチリと握手を交わしてくれたことを今でもよく覚えています。
 
さて、Inishmore に戻りましょう。絶望と覚悟が交錯したような複雑なリズムに乗せてケルト色溢れる美しくも激しいメロディがひとしきり奏でられた後、突如として心休まる穏やかな楽曲に切り替わります。ほとんどの人がどこかでこの曲を耳にしたことがあるでしょう。これはアイルランドの民謡で「Danny Boy」という曲です。小学生の頃に下校時のテーマソング (?) として使われていたことを思い出す人も多いでしょう。そのせいでしょうか。日本人である私たちでさえ、なぜか懐かしさを覚えます。コブシの効いた Riot 独特の演歌調アレンジも含め、ハードロックやヘヴィーメタルを聴いたことのない人でも素直に受け入れられる 1 曲かと思います。
 
以前にこのブログで Pretty Maids の「Please Don't Leave Me」を紹介した時、アイルランドを旅したときのことに触れました。私がアイルランドにいつか行ってみたいと思うきっかけになったのが「Please Don't Leave Me」だったのは間違いないのですが、Riot が 1997 年発表したこのアルバム (といいますかこの曲) を聴いて、私はその思いを一層強くし、2006 年にようやく訪れることができました。
 
初めて訪れたアイルランドは、都心から少し離れると、なだらかな緑の丘が幾重にも連なっており、穏やかな空気に包まれていました。夕暮れ時に車窓から望む丘陵地はまさに Danny Boy の世界で、悠久の時間がゆったりと流れているイメージどおりの景色でした。
 
「いつになるかわからないが、今度は家族 4 人でイニッシュモア島に行こう。」
 
この曲を聴いていたら、そんな希望が沸々と沸き上がってくるのでした。 
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