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スガキヤと名古屋人の特別な関係

カテゴリ : 
グルメ
執筆 : 
ellersley 2009-5-29 21:16

名古屋圏外の人にとって、スガキヤというラーメン店はあまりなじみがないでしょう。でも、あの*宮地佑紀生がテレビCMで歌っている「名古屋と言えばスガキヤラーメン。世界の果てまでスガキヤラーメン。」というフレーズに異論がある名古屋人は多くないでしょう。名古屋の人にとってスガキヤは、なぜか愛さずにはいられない特別な存在なのです。

 

ここ数年のラーメンブームにより、名古屋の街にもさまざまな本格ラーメン店がオープンしていますが、スガキヤは、そんな一過性のブームをはるかに超越した存在です。スガキヤは、すべての点において「本格派」とは対極の位置にあり、「別に本格派のラーメンなんかどうてもよくて、ときどき手軽にラーメンを食べたい」という客層を完全に独占しているのです。

 

スガキヤが特別視される理由はかなりハッキリしています。名古屋圏内の小中学生が初めて友だち同士で外食をするとき、デビューの舞台となるのが決まってスガキヤなのです。スガキヤもそのあたりの事情をよくわきまえていて、ミッドランドスクウェアやラシックではなく、ユーストア(現ピアゴ)とかヨシヅヤの中に店舗を構えています。実質的に愛知県だけを商圏としながら114億円もの売上を誇るその販売戦略がハーバード・ビジネス・レビューに取り上げられる日も近いものと私は推測します。

 

スガキヤがこれほどまでに特別視される理由をもう少し具体的に見ていきましょう。

 

まずは店構えです。

 

 

店に入ろうとする人に一切の緊張感を与えないこの敷居の低さ。この安心感こそ、初めて外食する女子中学生をも惹き付ける最大の魅力です。


次に、定番メニューを見てみましょう。

 


 

 

 

 

至ってシンプルです。「ラーメンください。」と言えばこれが出てきます。現在は290円ですが、1972年生まれの私が初めて食べたときには180円でした。20年余りで61%という値上げ率は、間違いなくこの国の物価上昇率を上回っているはずのですが、値上げがあまりにも極秘裏に行われるため、その不条理には誰も気づきません。

 

他のメニューを見てみましょう。

 

肉入りラーメン(\370)

 

特製ラーメン(\420)

 

野菜ラーメン(\420)

 

そうです。ベースはすべて「ラーメン」なのです。麺は太麺か細麺か、スープは塩か醤油か豚骨か、麺の堅さは... 中学生にそんなことを選ばせるのは野暮と言うものです。とにかくラーメンが食べたい人にラーメンを出す。このブレのない一貫した態度も、衰えぬ人気の理由です。「野菜ラーメンが特製ラーメンと同じ価格では、特製ラーメンのポジションニングに問題があるのではなのか」という疑問を抱いた人、その疑問は正しくありません。スガキヤは独自の価値観を持っているのです。


続いてデザートメニューを見てみましょう。こちらはそれほど特筆すべきものではないので、スガキヤさんの Web ページを見てもらうことにします。

http://www.sugakico.co.jp/shohin/index2.html

昔と比べ、ずいぶん種類が豊富になりました。もともとは甘味処としてスタートしたというだけあって、ソフトクリームは美味です。すべてのデザートメニューが「ソフトクリーム + 何か」という組み合わせになっており、考え方はラーメン類と同じです。

 

次に、スガキヤのキャラクター「スーちゃん」を見てみましょう。

ゆるいです。今でこそ、各地のキャラクターに「ゆるキャラ」が採用されることは珍しくありませんが、スーちゃんが登場したのは昭和33年です。「ゆるキャラ」ブームの到来を半世紀も前に予見していた経営陣の先見の明に、私は脱帽するしかありません。

 

そして最大の目玉と言えるのがこの食器です。


 

小学校の給食スプーンを大きく進化させたような不思議な形状が印象的です。これはラーメンフォークという名称で、あの世界的陶磁器メーカー、ノリタケとの共同開発品です。昔は、下の写真のようにフォークの部分が斜めに出ていたのですが、2007年に大幅なモデルチェンジが敢行され、現在の形状になりました。これ1本でラーメンも食べれればスープも飲めるという優れモノで、割りばしの大量消費による環境問題に配慮して開発されたということです。多くの、いや一部の客から、「厚手の金属製のため、熱くて口に入れ辛い」とか、「ラーメンを口に入れるときにスプーン部にたまったスープがこぼれ落ちて使いにくい」などの声が上がっており、実際にこのフォークでラーメンを食べている人をあまり見たことがありませんが、市民はこの前衛的なフォルムの食器を優しい眼差しで受け入れています。その背景には、現在のラーメンブームや「ゆるキャラ」ブームをことごとく予見したスガキヤの恐るべき洞察力があることは言うまでもありません。私自身も、今から半世紀後には、日本国民全員が当たり前のようにこのラーメンフォークでラーメンを食べるようになると信じて疑いません。

 

 

肝心のお味の方なのですが、これがまた不思議な味です。豚骨ベースの白湯スープなのですが、一般的な豚骨スープほどこってりしておらず、インスタントラーメンの粉末スープのようなチープな香りがします。そして形容するのが難しい微妙な甘味があって、巷では、「白蛇からダシを取っていて、隠し味にソフトクリームを使っている」などと言われています。これがまた美味しいのですが、病み付きになるというほどでもないという微妙さ加減です。

 

そんな魅力いっぱいのスガキヤ。私は今後も年に3回くらいのペースで食べ続けることでしょう。ひつまぶしや味噌煮込みうどんもいいけど、「名古屋と言えばスガキヤラーメン」。ぜひ試してみてください。

 

*宮地佑紀生 - 名古屋で活動する名古屋出身のタレント・ラジオパーソナリティ。名古屋の人で宮地佑紀生を知らない人は存在しない。

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コメント


投稿者 スレッド
ゲスト
投稿日時: 2009-6-7 22:23  更新日時: 2009-6-7 22:23
 Re: スガキヤと名古屋人の特別な関係
路面店に入ったことはありませんが、写真のような
敷居の低すぎる路面店には、学生でもありませんし、
逆に入りずらいです。

私も名古屋人ですので、スガキヤは子供の頃から
大好きです。大人になってからも、日曜日のお昼
は、家でスガキヤラーメン等を作って食べていま
した。夏は、スガキヤの冷やしラーメン、冬は
スガキヤの味噌煮込みうどん、春と秋は魚だしの
スガキヤラーメンか、しょうゆ味のスガキヤラー
メン。

でも、最近はさすがに飽きてきて、マクロビオティックを
とりいれ、発芽玄米のおかゆを食べています。
今日は『きび』を買ってきまして、来週はこの
おかゆにさつまいもを入れて食べてみる予定でい
ます。
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