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The Answer / Richie Sambora

カテゴリ : 
音楽
執筆 : 
ellersley 2013-5-28 9:41

Words & Music: Richie Sambora 

 

 

The lightning flashed as angels
Rode fiery chargers through the clouds
That answer scared me into tears
And all the grownups laughed out loud

 

稲妻が瞬くと同時に 雲の間から
天使が凄まじい雷鳴を轟かせた 

恐怖に怯えて泣きじゃくる僕を
大人はみな笑い飛ばしていた

 

Now the years roll on, tired voices have all gone
Now they ride their thunder through the heavens

 

歳月が流れ 聞き飽きた声もいつしか止み
今は天国から雷鳴が響くだけ

 

There's a world in every drop of rain
Embracing oceans sweep us home again
Come along with me, come along with me
Seek the truth, you shall not find another lie

 

雨粒にもそれぞれに世界がある
それらが大海原となって
また僕たちを一気に流し去る
僕と一緒においで 一緒に真実を探そう
別の嘘を探すんじゃない

 

They say for every living thing
There's a guide up in the sky
That helps you pass from world to world
So you never really die

 

生きし物はすべて
天の導きを受けるらしい
でも それによって生きる世界が変わるだけで
君は決して死ぬわけじゃない

 

Then with scythe and cloak
Death comes waltzing to your side
As the visions pass you ask
If there was meaning to your life
As you strain to hear the answer,
spirits sing, and devils fiddle
As he bends to whisper in your hear,
he leaves you one more riddle

 

鎌を手に マントを纏い
死が君の側に歩み寄ってくる
視界が開けると 君は
自分の人生に意味はあったのかと問う
耳を澄ませて答えを求めれば
魂が謳い 悪魔がからかう
悪魔は君の耳元で囁き
君にまた1つ謎を残していく

 

Oh, the answer lies beyond the pain
All the questions in our minds,
we surely ask in vain
Come along with me, come along with me
Seek the truth, and you shall find another life

 

答えは この痛みの向こう側
心の中の疑問に問いかけても無駄なこと
僕と一緒においで
そして一緒に真実を探そう
別の人生が待っているよ

 

And now my life is like a storm
Growing stronger every day
Like the unrelenting wind
That comes to blow our lives away
So I live each day like I know it's my last
If there is no future there must be no past

 

僕の人生は
日々激しさを増す嵐のよう
この吹き荒れる強風のように
僕たちの人生を吹き飛ばしに来る
だから僕は 今日が最後と思って毎日を生きる
未来がないのなら 過去だってあるはずがない

 

Now I know the answers never meant a thing
And with each instant that I breathe
I feel the joy that life can bring
Come along with me, come along with me
Seek the truth, you shall not find another lie
Come along with me, come along with me
Seek the truth, you shall not find another lie

 

答えは決して1つじゃない
僕は今 一息ごとに
人生がもたらし得る喜びを感じている
僕と一緒においで 一緒に真実を探そう
別の嘘を探すんじゃない
僕と一緒においで 
別の嘘を探すのは止めて
一緒に真実を探そう

 

  翻訳: 中村泰洋

 


リッチー・サンボラ? 誰それ? と思われた方も多いと思いますが、リッチー・サンボラは Bon Jovi のギタリストであり、ヴォーカルのジョンと並び、バンドのもう 1 つの顔とも言える中心メンバーです。日本ではジョンに隠れ、知名度が今ひとつのリッチーですが、本国アメリカでの人気は高く、その音楽センスも高く評価されています。

 

この曲は、リッチーが 1991 年に発表した初のソロアルバム「Stranger in This Town」のラスト (ボーナストラックを除く) を締めくくる 1 曲です。昔何かのコマーシャルに使われていたような記憶があって YouTube を漁ってみたところ、スバルの CM に使われていたことが判明しました。映像のイメージにピッタリですね。「Please don't leave me」のときと同様、またしても YouTube がその凄さを私に痛感させてくれました。

 

1:59 から始まる 3 本の CM にこの曲が使われています。

 

私は普段からこの曲を聴いているわけではありません。というより、ふと思うところがあって、おそらくはほぼ 20 年ぶりに聴いたわけですが、私はリッチーの世界観に完全に引き込まれ、曲が終わってからもしばらくその余韻から抜け出せませんでした。

 

心が洗われるようなこの清涼感。聴き終えた後、いつまでも清々しさが残ります。当時から良いバラードだという印象は抱いていましたが、交錯する思いが増えた分、当時よりも一層心の琴線に響きます。

 

メロディの良さもさることながら、特筆すべきはリッチーの歌唱です。Bon Jovi の曲でもバックコーラスでその艶のある声と歌唱力を時折り耳にすることができますが、この曲では、ヴォーカルがエコー処理されて広がりを持たせていることもあり、声質の良さが一層際立っています。

 

リッチーの音楽的性向は、bluesy/earthy とでも形容すれば良いのでしょうか。この 1 曲からは、そんな雰囲気が伝わってくると同時に、それがジョンのテイストとは全く別物であるということがわかります。以前に紹介した Bon Jovi の「Lie To Me」は、この「リッチーらしさ」がフィーチャーされた好例と言えるでしょう。

 

歌詞に目を向けてみましょう。非常に大きなテーマを取り扱っており、その深みはマリアナ海溝に匹敵します。含蓄がありすぎて私には意味がよくわからない隠喩も見られます。

thunder/lightning と angels、Death と waltzing、spirits sing と devils fiddle のように対義語を並べたレトリックは対照法または対句法と呼ばれ、英語では antithesis と言うのですが、ここでは、対照表現によって歌詞を彩り豊かにするばかりでなく、リッチーがこの曲に込めた「the answers never meant a thing」というメッセージを一層浮き立たせているようにも感じられます。このアルバムには、Bon Jovi の盟友デイヴィッド・ブライアンをはじめ、ダイアン・ウォーレンやデズモンド・チャイルドといった米国の超大物作詞家/プロデューサーも参加しているようなので、「The Ansewr」の歌詞がリッチーの手によるものかどうかわかりませんが、いずれにせよ、多様なレトリックが精巧に折り重ねられた素晴らしい詩だと思います。

 

心の悩みにいくら問いかけても無駄なこと。

その答えは 1 つじゃないし、答えはその苦しみを超えたところにある。

だから大切なことは、今日が最後と思って毎日を精一杯生きること。

 

そのようなメッセージは、言ってみれば古今東西に共通する普遍的な思想であり、良識ある大人であれば、なかなか実行できないだけで誰もが認識していることだと思いますが、親や友達や上司が言ってもダメで、リッチーが美しい曲に乗せて言ってくれて、ようやく私に伝わります。色んな意味で人生の岐路に立たされたことが間違いない今の自分を優しく諭し、勇気を与えてくれます。

 

近年のリッチーは、Bon Jovi のツアーを突然離脱したり、妻子ある身にもかかわらずデニス・リチャーズと不倫関係に陥ったり、アルコール依存のために更生施設でリハビリを受けたりするなど、この曲のメッセージとはやや乖離した行動が目立ちますが、こんな素晴らしい思想の持ち主ですので、きっと近いうちに改心してくれることでしょう。

 

温故知新とはまさにこのこと。生涯にわたって愛聴したい曲がまた 1 曲増えました。

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