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論理を曖昧にする連用形

カテゴリ : 
翻訳
執筆 : 
ellersley 2009-5-4 15:29

特許明細書を見ていると、次のような文に頻繁に出くわします。


「このことによって、データの途絶えなく、伝送路の有効利用が可能であり、各メディアの遅延を少なくし、メディア単位の揺らぎを最小とすることができる。」


「途絶えなく」、「可能であり」、「少なくし」のような連用形は、非常に便利である一方、情報を追加したいのか、理由や根拠を述べているのか、手段を述べているのか、そのあたりが非常に曖昧になります。


翻訳者は一般に、弁理士ほど対象分野に精通していないため、このように論理の曖昧な文を翻訳する際に大きな苦労を伴います。 仕方なくandで書き連ねている翻訳者は多いことでしょう。


上の文は、次のように書いてもらえるのが理想的です。


「このことにより、データが途絶えなくなるため、伝送路を有効に利用することができます。結果的に、各メディアの遅延が減少するとともに、メディア単位の揺らぎも最小化されます。」


「途絶えなくなるため」= 理由 -> because


「利用することができます。結果的に」= 結果 -> as a result


「減少するとともに」=  情報追加 - > as well as


連用形をできるだけ使わないようにすると意味が明確になるのですが、残念ながら明細書は連用形のオンパレードです。


もしかして、実は弁理士もあまり発明内容がよく理解できていないくて、論理を明快にする自信がないことから、自らの責任回避のために確信犯的に多用しているのでしょうか。

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